ロボット開発について興味深い主張

  ロボット開発について興味深い主張を発見したので紹介しようと思う。

 

 

論文誌そのもの(翻訳版)

 

 ラント・ブリチェット(開発経済学者・元世界銀行エコノミスト)ロボットか労働者か」https://www.foreignaffairsj.co.jp/focalpoints/2023-3-23-thu/

 と

 後ネットでの記事はこちら↓

www.foreignaffairsj.co.jp

 要旨は上記通り(下記にコピペ)

 「先進諸国では出生率の低下と教育水準の向上によって、単純労働を担う労働力がひどく不足している。企業は負担できる人件費で労働者をみつけるのに苦労し、この人材不足が、不必要なオートメーションやその他の技術による解決策を求めるように企業を駆り立てている。だが、ヒトが簡単にこなせる労働タスクを代替する機械(技術)を作ろうとするのは、資本の浪費にすぎない。要するに、労働者の国境を越えた移動を阻む移民規制が、資源を間違った技術開発へ向かわせていることになる。先進国は、少子化が作り出す労働力不足を認識し、より多くの外国人労働者が国内で働けるようにしなければならない。外国人労働者が必要とされる場所に移動できるようにすることで得られる経済的・人道的利益に目を向けるべきだろう。」

 以上のような論文がフォーリン・アフェアーズ・リポート(2023、4 pp.6-17)に掲載されており、私は反対ですが面白いです。
 すなわち「人にできることをロボットにできるようにさせるよりも、人ができない事をロボットにさせるように開発すべき」という主張で、少子化対策等労働力不足というインセンティブで、ロボット開発がおかしな方向に行っているのはやめるべき。人ができることなら人は世界中で余っているので、人を使った方が良い。

 

 政策的に、国境という障壁を設けて、人の移動を阻害し、先進国中心に少子高齢化で労働力不足問題解決に(人のできることの)ロボット開発にインセンティブを与えているのはおかしい。これらは確かにイノベーションだが、禁酒法時代の密造酒密輸運搬車の開発と同じく馬鹿げている。


 (環境問題含めてでしょうが)世界全体で見ると人口は増える一方であり、発展途上国中心とした地域から先進国地域に人口移動を行えば、労働力不足は解決する。その方が開発援助などで無駄金を使ってきた今までの政策よりも極めて有効だ(有効性などは論文の中で記載)。

 

 という感じです(私の勝手な論文要約)。
 ちなみに日本中無理だろう~と思っていたら、日本の話(鎖国的な日本においてですら外国人労働者の活用は進んでいると、統計データが出てますね)もありました。

 介護(人不足もいわれますが、ここでは人にケアされたくないというアンケート結果もあり)などは、私はロボット派(同じく教育も同じ、人が人を教育するなど、ある意味不可能と思っています。相性問題など考えると公平性的に少なくとも一義的ロボットがでるべきと思いますが)です。

 それでもロボット開発では、このような人ができることをわざわざロボットに行わせていることは意味が無い(もっとロボットにしかできない事に資源を投下すべき)という意見もあり、考えさせられた。

 自動運転なども交通事故を減らすという観点などもあり、一概にロボット開発が人が足りないからだけではないと思うのだが…人ができることは人にという主張はあり得るかもしれない。

 それも介護や運転はロボットの方が良いと思うのだが・・・

 NHK等もこう言っているし↓

 

 

 それに対してこのような反論も

 

 結局、人が人を…というのが問題で、これはロボットにさせるべきこと。まして外国人導入というのはなぇ…

 

 世界銀行エコノミストなのでいいたいことはよく分かるし、人道的にも理にはかなっているが感情的に厳しいだろう。

 教育、介護(一部医療)、司法、運転、会計(経理)、行政、受付…ロボットの方が良い分野はあまたある。ある種の公平性や「人が人を相手に」することで問題が多い分野のロボット化は(フルにしすぎると問題もあるだろうが)適切で、責任者や省力化してごく一部のエリートが対応するようにした方が良いだろう。

 要は機械的部分はロボット(AI)で、それで足りないところは人として、人の部分はかなり優秀な人のみが対応できるようにした方が良いだろう思う。

 

 

 


 個人的には、反対ですが最近読んだもののなかで、印象深い主張がなされていたものでもあります。