前も取り上げましたが、ついに先日みてきました!
「独裁者たちのとき」
さすがになかなかの場所にあり、口コミ通応対は…
完全に通な人たちの空間ですね。
基本的に一見さんの私は…
まあ、レトロな映画館でしたが、楽しめました
今後ほかでも上映だけど、日本国内では今はここでしか上映されてない映画…
こちら、AIやディープフェイクを使わずに、アーカイブの切り貼りだけで、あの世で著名な独裁者が会話しているように構成された奇作。
映画冒頭でもそのことの説明が入る
カンヌで物議を醸したほか、様々受賞候補などにはなっている模様…てこの手のけど日本じゃマイナーどころはたくさん。映画館自体も…
て感じですね。
意外と観客は多く、女性客もいたのも意外。とはいえやはり年齢層は高め。自分で相当若い方だった気がする。
映画の公式HPはこっちら
You Tube流れるから注意
さて、印象だが、
これはなかなか難しい作品だと思う。
まずはその労力は凄まじい。かみ合うのか、かみ合わないのかという、会話を延々しており、これだけアーカイブから、抜き出して組み合わせて、ストーリーらしきものに仕上げるのはとても大変だったと思われる。
アーカイブもお馴染みのものからとったであろうものから、そうで無いものまで…もう一度みたくなるものであるのも事実。
思わず(笑)となるような、かみ合っているんだか、かみ合っていないのだかというシーンは多く、少し飽きるところもあるが、全体的には楽しく鑑賞できた。
大量の民衆のシーンはもう少し迫力を期待していたほか、演説があると思っていたので、その辺があまり無かったのは残念。
また、アーカイブスの問題だろう、良くも悪くもある種の偏りが感じられた。
ヒトラーは演説が無い一方、度々恨み辛みの国防軍兵士亡霊とのやりとりがあり、これはなかなか。逆にスターリンには粛正された方からの恨み辛みは無く、アンバランス感はあった。もっとも虐殺のことをいわれると、平然と根から絶たねばと虐殺を正統化するところはまさにスターリン(鋼鉄の人)。
次々と分身して、誰が誰だがわかりにくくなるところ、「おとぎ話」の元タイトル通り、非常にある種の幻想的(?)な感じの作風だ。
見方は様々できるだろうが、奇作というのが言い当て妙だろう。
見る人によりかなり解釈は分かれそうであるが、少なくとも、みる価値のある作品であることは間違いないといえる。
ある意味、解釈が多元的にできるということから映画らしいものかもしれない。