連日流れてくる。兵庫県民ではないので、それほど細かいところは存じないが、もう少し大枠での話も多い。
私見は↓どおり
SNSだ、メディアだというのは論考通りあるのだろう。しかし、身近な人間が報道に違和感を持っており、その辺とのギャップが反メディアと結びついて、逆転したのだろう。
勿論綿密(?)な知事側の戦略や、そもそも鋼鉄のメンタルがなければここまで来なかったのも事実。また、オールドメディアVSのかたちに持ち込んで全国ニュースネタにしたこと、こういうことに機を見るに敏な戦略家といって良い立花氏の参戦等も大きかっただろう。
まずXで気になった投稿など↓
非常に無邪気に、人命も倫理も置いてけぼりの、商業主義のやり方を選挙でもやったと自慢してはるわけですが、これまでの既成政党も政治家も、それなりに取り入れてはいたと思うんですよ。自民党も含め。でもどこかで「選挙だから」というブレーキがかかって。それは「民主主義」のブレーキでもあって。 https://t.co/yTMdPFObcz
— mipoko (@mipoko611) 2024年11月21日
兵庫県知事選投票直前にアンケート調査を行いました。興味深い結果が出たので報告します 0/5
— tanakatatsuo (@tanakatatsuo) 2024年11月21日
戦略コンサルの無邪気な投稿
アンケート結果の分析などなかなか面白いものが上がっている。
田中先生のものは↓(後で再度出てきます)。
1)斎藤支持者の6割はパワハラがあったと思っていません。稲村支持者は9割がパワハラがあったと思っています。県職員二人の自殺についても稲村支持者8割は斎藤氏に追い詰められたためと思っていますが、斎藤支持者の8割はそう思っていません。認識の差は巨大です 1/5 https://t.co/CByPvn2qe6 pic.twitter.com/xx70eJu9ap
— tanakatatsuo (@tanakatatsuo) 2024年11月21日
2)斎藤支持者の7割は、パワハラはマスコミの捏造と考えています。また8割は今回の辞任劇は既得権益層が斎藤氏を追い落とすクーデターだとみています。その認識なら斎藤氏は犠牲者であり、応援するのは自然です。やはり斎藤支持者とそうでない人の認識の差は巨大です 2/5 https://t.co/CByPvn2qe6 pic.twitter.com/zkl4VM5OFU
— tanakatatsuo (@tanakatatsuo) 2024年11月21日
3)このような認識は情報源の偏りが原因とみられます。選挙の主たる情報源として、斎藤支持者の4割がYouTubeとX(ツイッター)をあげています。稲村支持者はこの二つは1割に満たず6割はマスコミが主情報源です。この点でこの選挙はネットとマスコミの戦いだったという見方は正しいでしょう。3/5 pic.twitter.com/wJNHdA6PCU
— tanakatatsuo (@tanakatatsuo) 2024年11月21日
4)また、斎藤支持者はマスコミを信じていません。斎藤支持者の実に9割がこの件についてマスコミの情報を信用できないとしています(稲村支持者は25%)。ネット情報を信用するのは4割弱ですが、稲村支持者(2割弱)よりは高く、ネットで意見形成していることは確かです
— tanakatatsuo (@tanakatatsuo) 2024年11月21日
4/5https://t.co/CByPvn2Y3E pic.twitter.com/KE6l18ut81
5)斎藤支持者の認識(パワハラは捏造・既得権益層のクーデター)は事実かどうかは検証を要します。しかし、気になるのは斎藤支持層の言説に陰謀論的な特徴がみられることです。実際、斎藤支持者には陰謀論を信じている人が多い傾向があります。もし陰謀論であるなら大きな問題でしょう。5/5 pic.twitter.com/tp5I9X5wMj
— tanakatatsuo (@tanakatatsuo) 2024年11月21日
E)陰謀論に反応が多かったので追加します。陰謀論を信じる人ほど、「パワハラは捏造、事件は既得権益層によるクーデター」と考えています。図の横軸はその人が信じる陰謀論の数ですが、多くなるほどパワハラは捏造、辞任はクーデターと考える人の割合が増えます pic.twitter.com/VtwTKTAvmr
— tanakatatsuo (@tanakatatsuo) 2024年11月21日
しれっと本の宣伝も
斎藤元彦氏の当選を受けて、まさにこの本の内容が広く共有されてほしいと思った。情報を十分追ってなかったせいもあるのかもだけど、選挙前にメディアの報道がなくなって、何が本当なのかわからなくなる感じがあり、わからなくなっていく自分自身の感覚が何だか怖くもあった。この本をぜひ↓ https://t.co/U3tvibxFSe
— 近藤雄生 / Yuki Kondo (@ykoncanberra) 2024年11月18日
『ストーリーが世界を滅ぼす』が、カテゴリー1位に急上昇! おそらく兵庫県知事選の影響と思われます。 pic.twitter.com/ESqIuYsimk
— tomoaki watanabe 渡辺智顕 (@abi_nabe) 2024年11月18日
ストーリーが世界を滅ぼすが注目は感慨深い
(以前に何度も言及の本書↓)
右側系のアカウントで結構論戦はっているところも↓
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2024年11月16日
兵庫県百条委員会の職員アンケートで「斎藤知事のパワハラ」欄を見たらほとんど関係ない記述ばかりだった
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2024年11月22日
「140人が実際に目撃体験した」は嘘で、その項目で回答してても伝聞や全く無関係な内容も。記名ですらそうでした。 https://t.co/UFKNy3f1at
>無論、これだけのことでは、擁護論が陰謀論であるとの断定はできない。支持者の傾向と擁護論そのものの性質は別の問題であり、さらなる調査が必要である。
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2024年11月22日
田中教授の手法の限界は、彼自身が十分認識してるんだろう。
田中先生のはツイートとも同じと思われるが、記事にもなっていた
記事はこちら↓
上は計量経済なので、指摘通り手法的に限界はある。とはいえファクトベースでのある一定の妥当性はあるものだろう。
さて、とはいえこれらとは別視点のものも出てきている。
この手のリベラル崩壊、という視点だ。
まず先に個々でいう「リベラル」の定義は少々本来的なリベラルなのかどうか?という問題はある。
とりあえず「Jリベラル」と考えよう。リベラルとは?という話をすると何冊の本になってしまう。
(「リベラル」と打つだけで↓のように次々でる)
個人的には↓「アフターリベラル」も良いと思うのだが
とりあえず、「Jリベラル」(日本でリベラルと称している人たち)の話として聞いてゆこう。
上の記事ではジラールなど欲望論もベースになっている
参考は↓あたりだろう
で、3ページ目にリベラルの崩壊を記載しつつ、対策も記載している。
分析の妙は2ページ目の
「トランプや斎藤氏の選挙をめぐる戦いで感じるのは、その人々が父Aの立場を放棄し、父Bの立場に全力で没入していることである。一般市民と政治家が、対等の立場で競争し、ネットを中心に「既存の勢力に立ち向かい、その結果迫害を受ける立場と認められ、大衆からの支持を得る」ポジションを奪い合う。しばらくそういう時代が続くのだと思う。」
という部分だろう。上手いといえば旨い。
ただ、ここには、シュミットや新自由主義等々も加えるとさらに深みにはなっただろう。
ただ、これとリベラルの崩壊は???でもある。
いうならばJリベラルが既存勢力となった結果(さらに「リベラル」というより、シュミット・シュミットして、新自由主義化して、ただの敗北したマルクス主義というか旧東側シンパの言い換えにすぎない結果)、対抗されたのみのだろう。
そもそも日本でリベラル(Jリベラルも含む)がそんなに強かった時期はあっただろうか。政治的には一応は保守系の自民党が長らく政権を持っていた。彼らはリベラル色のある政策も多かったが、保守系を自称していたことも確かだ。
メディアはJリベラルなのかもしれないが…それもどうかと。
あと、シュミット系の研究者のミュラーも参考になるだろう
我らと彼らの分断、我々こそ唯一民意を代表するという、そういうあたりを鮮やかに記載している。
それで、いろいろいえるのだが、別段
「今回つくづくと感じたのは、現在の社会で、似た者同士になった社会の構成員の中に違いを作り出し、もっとも強い欲望を刺激するのは、「既存の勢力に立ち向かい、その結果迫害を受ける立場と認められ、大衆からの支持を得るポジション」だということだ。」
これは大部前からいつもの手法だったし(ヒトラーもVSユダヤという既存勢力に立ち向かうという構図を使ったのはお馴染み)、目新しくない。
要は事情判決をあたかもあらゆることに適応しようと話を広げているが、一般的な選挙戦略と変わらず、今回旨くはまっただけというのが事実ではないだろうか。
トランプの方と兵庫県知事では確かに動いている力は同じかも知れない。
そういう点では騒ぐのもありだが、どうも騒ぎすぎな気がしている。
まあ、悪名では無名に勝るというべきか。地方自治で有名になるのはこういうことでもないダメというそういうダメさ加減がでているともいえるか…。
いずれにせよ、兵庫県職員の身が案じられるが、少しは骨を見せて県議含めて一斉辞職などで対抗するほかないだろう。