テレビの炎上問題と風評被害 ジョブチェーン問題を考える

 新年早々、テレビの炎上騒ぎだ。それもあまりテレビを見ない当方がたまたま見ていた番組が炎上した。それどころか風評被害が発生している。番組はこちら↓

ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます!|TBSテレビ

 で、毎回炎上はおなじみとのことだが

 TBS「ジョブチューン」では毎回審査員が炎上も…有名店シェフのジャッジ番組が人気なワケ(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

 今回も

 あまりにもひどい…『ジョブチューン』批判殺到、大炎上「ヤラセでは」の声も - いまトピランキング (goo.ne.jp)

 シェフ炎上 !|メタモル・あうと郎|note

「ジョブチューン」審査員が食べずに「不合格」で賛否の声「前代未聞過ぎる」「相手に失礼」「あり得る」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

 等々 

 ただ今回は風評被害も生じている

 

 「ジョブチューン」”試食拒否”審査員と同姓のシェフが誹謗中傷に訴え「偶然同じ小林です」(よろず~ニュース) - Yahoo!ニュース

 

 こちらですね。

 

 この番組自体は毎回審査員の方が炎上するという、いわば審査員が嫌われ役のリアルショーであり、ある程度は審査員も炎上覚悟での出演なのだろう。炎上マーケというのもあるし、テレビPRにもなるので、嫌みな審査員役を買って出る意味もあると判断する人もいるのだろう。

 が、風評被害は大問題だろう。

 

 この番組3つ問題点が複数ある。

 

 1つ目は、審査員の紹介不足とすごいのかすごくないのか不明なメンツという点。

 まず、審査員紹介がほとんど無く、テロップで若干の情報のみ。これでは、たまたま似たような「小林」違いが生ずるのもやむなしである。番組の枠の関係もあると思われるがしっかりお店を紹介するなどちゃんとした紹介は必要だろうと思う。見た感じ食べログで高評価のお店の方、何らかのコンクールで優勝者等々審査員も質がバラバラだったように思われる

 2つ目、採点基準の不明瞭さだ。これは審査員炎上を招く要員だろうし、あえて狙っているのかもしれない。が、もう少し情報番組としての側面も持つのであれば、明瞭化して模様と思う。

 やり方としては、項目を複数挙げて、採点方式にすることだ。例えば、「見た目」「コスパ」、「食べ飽きするか」、「味の総合バランス」、「特徴点の良さ」の5項目それぞれ10点満点として、各項目4点以下がなくかつ全体で30点以上だと合格、等すると良いだろう。例の炎上だと、「いや見た目で4点以下確定なので、この時点で不合格です」と説明すれば良いだけであり、食べずに審査終了でも、まあ理解はできるようになる。

 また、できれば全員の総合点で何点以上というのもあっても良いかもしれない。7名ほどいたようなので、合計350点、210点以上であれば合格。ただし、一人でも4点以下の点数をつけた項目がないこと、等々もわかりやすいだろう。何せギリギリのものもあったし、人によってギリギリ合格、不合格が有っただろうから、1,2が素晴らしい評価、他5名がギリギリどちらかだったときに、この総合点の方がよりよいかたちで合否を出せるだろう(今の方式だと2名素晴らしい、5名ギリギリ不合格とした場合は不合格だ。この総合点評価であると、8点2名で残りが5点でも合格を出せる。逆もしかり、絶対これはダメという人がいた場合、4点以下でそれで不合格となる。1名でも絶対これはダメていう場合不合格でも良いだろう)。

また、総合点でも勝負ができてそれはそれで面白くもなるだろう。全員一致、だけではなく総合点何点というのも面白いと思う。

 点数方式&評価基準の説明の徹底、これでも多少は審査員炎上も防げるだろうし、面白くもなるのではと思う。少なくとも毎回審査員を炎上させて、半分炎上マーケ的に番組を運営するのは良くないと思う。

 3つ目は、演出。まずやむ得ないとはいえひな壇芸人が多い。半バラエティ、半情報番組なのだろうが、線引きが曖昧で、リアリティショーとしての演出と台本、情報番組的要素が混在しており、狙っているのかもしれないが炎上しやすくなっている。

 厳しいリアリティーショーを目指すのならば、審査員の保護のために匿名かつ別取りで点数をつけてもらってきても良いかもしれない(審査員紹介は今も不十分なので、審査者は7名、プロ中のプロ。だけでも良いかもしれず、合否判定ないし点数と、コメントを寄せてもらう。会場でそれを芸人が披露等)。

 バラエティで面白おかしく、商品紹介含めてであればその方向で楽しく行えばよい。

 見ていても、何か忖度気味の審査員やら、あえて厳しい役作りしているのか?というものから、演出がなんともわかりにくく。審査後のコメントも評価視線がバラバラ。厳しいのか厳しくないのか不明で、目立つ人とそうでない人の違いや、何故合格、不合格、かわからないものも多かった。不合格の時のみ、合格つけた人のコメントつけるのもはてなで、逆に合格の時に不合格つけた人のコメントがないのはよくわからなかった。みんなで良いところをというのであれば不用意に厳しすぎるものもあるし、逆に厳しくというのであれば合格のときも不合格つけた審査員からの厳しいコメントもあって良いと思われる。

 

 

 そんなところだろうか。

 

 いろいろバランスも大変だろうと思うしスポンサー関係、出演者関係、台本づくり、演出づくり、そして出演者が(完全に台本通りでは無いこともするものと考えられ)どこまで上手く演出できるか、大変な番組とは思う。特に審査員は演技のプロではないし、審査受ける方も同じく演技にのプロではないので、この辺はリアリティショー系の難しさだろう。 

 

 勿論大して調べずに、他の小林氏を攻撃する方が問題であることは確か。ただし、視聴者として、「小林とかいうシェフ」ぐらいしか頭に残らないのも事実で、叩く方もどうかしているが、叩く場合人違いは起こりやすかっただろう。 

 そもそも審査員を叩きやすいように、炎上前提で番組作成をしている感もあり、それはそれで面白いのだが、第三者への被害はよろしく無いだろう。

 

 

 なお、これまたテレビ局は大変だなと思ったので、試しにBPOを調べると

 BPO

 視聴者からのご意見について | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

 かなり簡単に意見ができてしまう。

 

 当方のブログもそうだが、好き勝手いう人が多い中、テレビ局は大変だと思うのでその点は同情する。

 

 マスメディアが起こす風評被害が生じた場面も見ることができた、という意味では良かった。無からニュースを作り、起きなくて良い誹謗中傷合戦を生じさせ、あまつさえ第三者へも被害が増大する。

 メディア論としても非常に興味深いものであったと思う。

 

 参考になる図書↓