新型コロナの教訓

 残念ながら新型コロナの水際対策は失敗したようだ。いや、医療体制を崩壊させないことが水際作戦であるのでまだ、失敗とは言いがたいという声もあるだろうが、十分パニック寸前になってきていることからも、また検査態勢など破綻しつつあることからも、少なくとも成功とは言いがたいであろう。

 

 いろいろな声があるが、大事なことは教訓を活かして次につなげることであろう。

 

 国の最低限の役割は軍事・外交といわれるが加えて治安維持・公衆衛生というのも国が果たす責務とアナーキスト以外は同意するであろうから、それができなかったことは残念である。特に公衆衛生は、個々に任せることに限界があり、国家的対応(少なくとも組合システムなどある程度の集団的対応がなくては難しい)が必要な点である。今回を教訓として次に備えるべきであろう。

 

 今回は非常に不適切な表現であるが、まだ新型コロナで良かったといえなくもないところがある。一部で新型コロナは人造ウィルスだとか、生物兵器だとか・・・生物兵器の失敗作の流出などと騒がれているが、本物の生物兵器攻撃ならば今の状態どころではない。

 用途にもよるが、国家レベルの生物兵器攻撃であれば、

①感染しても当面は本人が気づかない(潜伏期間が長い)

②発症しないが感染力を持つ保菌者がいる

③症状がなくとも感染力は保持している

④できれば空気感染、少なくとも飛沫感染する

⑤発症すると比較的早期に死亡に至る強力な殺傷能力または長期入院を余儀なくさせる

⑥即座に人為的ウィルスとは気がつかれない既存のウィルス等に似ていること

⑦初期症状・病状の変化も既存の他の病気に類似し、判別が難しい。

⑧治療が困難。

といった8つの要素を持っていることが、相手国を崩壊させる意図で生物兵器攻撃を行う上で重要な要素である。

 一つ一つ細かい説明は不要であると思われれるが、要するに8条件すべてがそろった理想的生物兵器があれば、それは十分に国家経済を崩壊させうるものであり、パニックが起こるのは避けられないであろう。生物兵器は単に殺傷能力だけでなく伝播力が重要で有かつ、敵国を経済的に崩壊させる目的からも相手国内を疑心暗鬼にするような仕組みが必要である。

  発症者と発症しない者がおり、発症すると高確率で死亡、片一方発症しない者は、ウィルスキャリアとしてウィルスをばらまくというのが、生物兵器攻撃として理想であり、相手国内の撹乱に有利である。

 

 さて、そんな攻撃を日本へしてくる組織、国はないと思いたいところであるが、現実には地下鉄サリン事件(首都圏で化学兵器による攻撃)等があったことを考えると、国でなくともオカルト終末集団が、理想に近い生物兵器を完成させてばらまく可能性は依然としてあり得る。

 

 もちろん8条件すべてをそろえることは至難の業であるが、そういうもので攻撃されても大丈夫な備えは必要であろう。

 

 昨今地球温暖化により未知のウィルスとの遭遇可能性もあがってきている。それらは、攻撃とは異なるだろうが同じ効果を及ぼす可能性があり、今回のようにたまたま8条件に近いものと遭遇する可能性もありうる。

 

 新型コロナは⑤要件が致命的に欠損しており、その点ではまだましといえる。それ故、警戒が甘かった感もある。だが今回と同様でかつ、発症後死亡率が高いウィルスが相手であればどうであろうか?または、当初は死亡率は高くなさそうに見えて病状が長引き、実は死亡率が高いものであったとしたら、そして、病状がながびくもので症状も重く入院以外処置がないようなもので、結果として医療崩壊を招く、そのようなウィルスであればどうであろうか。

 

 いずれにせよ、今回ですら壊滅的状況になると騒がれているのだから、さらにひどいこととなるだろう。

 

 従って、今回を教訓として次回以降に備える必要性は十分にあるだろう。

 

 

 さて、現状の教訓は少なくとも以下はあると思われる。

 

 1、マスク・消毒液など必需品の政府備蓄

 →災害と同じで、個人での備えも重要だが、やはり政府における備えも重要である。今回まさかのマスク不足が生じたが、そのようなことのないよう政府において毎年一定量を購入し、政府備蓄を備えておくべきであろう。マスクだけでなく消毒液など考えられる物品は備蓄することがのぞましい。これについては災害備蓄がもともとあるのでそのスキームを活用すればスムーズに行われるだろう

 

 2、緊急時病棟の確保

 →今回、緊急時の隔離施設がないことも問題となった。

 そこで、政府においては高級ホテルを50棟建てるという話もあるが、これを指定隔離施設として、緊急時には隔離施設として使えるように最初から準備してはいかがだろうか。正確には政府の建造ではなく、資金援助であるが、資金援助の条件として緊急時隔離施設として使用という条件をつけるという話である。

 

 さすがによほどの反政府思考でない限り、「こんなところに隔離された!」と高級ホテルならばいわれないだろうし、高級ホテルならば隔離能力も高いだろう。できれば隔離施設につかえうることも前提に、個別空調の完備やいっそのことBC兵器防御装備、抗ウィルスフィルター等々を備えるのも手であろう。かえって不気味だが、世界一安全なホテルという売りもできそうな気がする。さすがに政府建造以外でそのような装備を備えた高級ホテルなど(コスト的に)あり得ないが、それ故に政府建造の意味もある。緊急時は政府補償による退去(慰謝料と帰る交通費支給)等々が必要となるが最初からそういう用途であれば可能性はあるような気がする。

  参考

this.kiji.is

 さすがにホテルは吹っ飛んだ提案としても、緊急時に使える病棟を確保しておくことは必要だろうし、これは政府にしか難しいことであるので、今回の教訓として重要だと思う。

 ※ちなみに、個人の核シェルターの完備率も日本は低い。この手の有事対応は日本人は苦手なので政府でお願いするほかない。災害備蓄は一応不備はあってもできているので、同じように有事病棟やいっそのこと核シェルター等々含めて有事防御をこの際、考えなすべきだろう。

 民間で無駄な資産を持っておくわけにはいかないので、これは政府主導で、空き地や広大な土地が余っている地方で良いので病棟を作っておくべきだろう。ついでに道路整備はじめインフラ整備もできて、国会というパンデモ二ウムに住まう皆さんの利益にもなるだろうし、下手な政争にもなりにくいだろう。

 

 3,対応計画の不在・不備

→今回様々な不備があったがひとえに計画がなかったことが大きいと思われる。

 どうしても官僚組織はそのてのものがないとうまく動かない。

 ガイドライン等々を作成して、ある程度システマテックに動けるような仕組みが必要であり、既存のものでは不足であったことが露呈した。

 今回を教訓として、海外の邦人をどう保護するか、国内にいる観光客をどうするか。パンデミックになりかけたらどうするか。どういうタイミングでどのレベルの対応をするか(例イベントの中止基準を参考例で設ける、移動規制等々をどのレベルで行う、準拠法令の見直し・整備等)もう一度見直しと不備があった点の加筆修正が必要である。

 

 緊急条項の話もごもっともだが、まずパンデミック対応計画、パンデミック対策行動計画、パンデミック対応BCPパンデミック対応行動計画等名前はいろいろあるが、まずはパンデモニウムに住まう皆さんに権謀術策は抜き(これが一番難しいことは承知しているが)にご検討、結局官僚に丸投げするにしても、きちんと投げてほしいと思う。

 法的不備というよりも対応計画不備が先にあり、新型コロナ死者より先に対応していた官僚に自殺者が出たことは重く見るべきだろう。対応プランをきちんと立てて、それも足りないないし、「こういう法律が必要」というものが登場すれば、そのときにその内容で法制化を試みても良いだろう。第一パンデモ二ウムで理想的法律整備環境、政策環境がそろうことはまずあり得ないことを考えれば、提案する法律は政局で変容することも念頭に慎重に提出する必要性がある。なにしろ、このてのものは結局一種の人権規制をはらむ以上、パンデモ二ウムの権謀術策や政争の具にされやすく(それ自体はやむ得ないし、パンデモ二ウムの住民たちはそれが仕事でもあるから、よくある「党派を超えて」などと無意味な戯れ言に等しいことも重々承知しておく必要性がある)、そうならないような実務的な解決、実務的行政法とする方が良いものができるだろうと思っている。

 

 

 

以上、現状での教訓である。

 

 いろいろ騒ぐこともやむ得ないが、もっと恐ろしい(もっとも専門家にたかがコロナ、という甘い考えがあったことが水際作戦失敗の要因のような気もするが)ウィルスが来ることも考えて、教訓を引き出しておくことも必要であると思われる。